IN MY ROOM…

産経とiPhoneとメディア・ビジネス

Posted in iPhone, media by DorG on 2008/12/13

sankei1気がつけば、年の瀬がもうそこまで迫っている。今年はほんと公私ともに振り回されっぱなしだったが、その分だけ、いろんなことを考えたし、また教えられもしたように思う。もう少し落ち着いたら、そんな「あれやこれや」もちょっとずつ記していこう。

それはさておき、昨日職場でもかなり話題になった産経新聞のiPhone向け紙面配信。何人かは「オレもiPhone買おうかなあ」とかなり真顔で考え込んでいた。わたし自身も、産経新聞&産経デジタルのここ最近の尖鋭的な取り組み(というか、開き直りっぷりというか)には注目していたので、「なるほど、そう来たか」と素直に関心した。

産経がどこまで深く考えているのかはもちろん知らない。案外、勢いだけなのかもしれない。けれど、デジタル・デバイスの特性や、新聞社の強み・弱みを冷徹に見据えたうえでの戦略だとしたら、結構手ごわいのではないか。そんな気がする。

やってることは至って単純だが、少し考えれば、これは現状、プラットフォームがiPhoneだからこそ成り立つモデルであることがわかる。相変わらずインフラで儲けようとしている国内通信会社であれば、これだけのトラフィックは許容されないだろうし、そこを突破できても相当中抜きされるのは目に見えている。かといってGoogleなどが進める完全オープンな世界はと言えば、今度は権利者が恐れを為してしまう。端末そのもののコントロールが利かないWindows Mobile機も同様に難しいだろう。

クローズドな端末とディストリビューション・センターを押さえるアップルと、インフラの“土管化”を(今のところ)容認しているソフトバンク。不完全とはいえ水平分業型の市場が誕生したことで、はじめて成り立つ配信モデルではないか。

ただ、こういうモデルは、往々にして「稼げそうだ」となった瞬間にいろんな人がシャシャリ出てきてダメになりがちだからなあ。。。産経には、そのあたりも含めて、頑張っていただきたいと願うばかりだ。

ストリート・ビューに対する嫌悪感は、民主社会への恐れの表出でもある

Posted in life, web by DorG on 2008/08/10

Googleのストリート・ビューに対する議論がなかなか収束しない。否定派の意見にも一理あると思うけれど、個人的には、この種の問題に対して「どちらが正しいのか」的な議論はとっくに決着についたものだと思っていたので、やや意外に感じる。

乱暴に言ってしまえば、「今になってプライバシー問題を盾に反対を唱えるなら、なぜもっと早い時期に声を上げないのか」ということ。ちょっと考えれば、いまの情報化社会がそういう方向に向かっているのは自明だし、さらに言えば、我々はプラス側の恩恵をすでに十分に享受してしまってもいる。

食品偽装問題のときにも同種の問題を感じて少し書いたし、それ以外にも後期高齢者医療制度だとか雇用問題だとかを巡ってもそう感じるのだが、少し立ち止まって考えれば自明であるはずのことが実際に明るみに出たときの過敏な反応には、かえって不安を覚えてしまう。

プライバシーの問題で言えば、例えば、テレビの事件報道などで、最近頻繁に放送されるようになった監視カメラの映像。あんなもののほうが、よほど気味が悪いと思わないだろうか? 

いま人気のiPhoneだってわからないよ。個体識別番号とインターネットへのアクセス履歴と位置情報をあれほどシームレスにリンクさせられる端末はこれまでなかったのだから。

もしかしたら、情報入手の経路が広がるなかで、我々の反応は知らず知らずのうちに即時的になってしまっているのだろうか。

それからもう1つ。ストリートビューに対する拒否反応に接して残念に思うのは、その背後に「だれもに見られるのはイヤ。でも、お上がこっそり監視するのはOK」というような意識が見え隠れすることだ。

そんな状態で、いったいだれが中国を嗤えるというのだろうか。

もっとも、わたしもGoogleのサービスに問題がまったくないとは思わない。だが、あまりにナイーブな反応を続けていると、昨今のネット規制議論などとも絡んで、ちょっと厄介な問題に発展するのではないかと思うのだが。

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ネタもカネも持たぬ人々

Posted in etc by DorG on 2008/08/01

今年は、仕事の上で何かとバタバタとした状態が続いている。大きな理由は、出版というビジネスそのものの変化であったり、組織の問題であったりするわけだが、これは似たような業界にいる人なら大なり小なり直面しているものだろうし、気にしても始まらないと半分諦めてもいる。

ただそれよりも、最近少し困っているのが、「つきあっても大して意味のない人たち」への対応で時間が取られることだ。これが結構バカにならない。そう言うと身もフタもないように聞こえるかもしれないけれど、これはあくまでビジネス上の話。個人的な好き嫌いは一切排除したうえでの話だ。

結局のところ、こちらが仕事でつきあいたいと思うのは、突き詰めれば「ネタ」か「カネ」かを持っている人ということになるのだが(それをモノにできるかどうかは置いておくとしても)、ここにきて、実はそのどちらも持っていない人がいかに多いかということにたびたび気づかされるようになった。

もちろん、そんな“空振り”は以前からあったのだが、たいていは「あまりいい出会いじゃなかったね、以上。」という流れになって終わるので、気にしていなかった。元来、人と会うのは嫌いじゃないし。ただ、最近のその手の人たちは、何かとしつこくて困る。よって手離れが悪い。

1つには、企業にカネがなくなり、体よくメディアを利用しようという人間が増えているという事情が影響しているのだろう。そりゃ、メディアなんぞタダで露出させたほうがいいに決まっている。最近のマーケティグ系の情報発信のあり方を見ても、流れは明らかにそっち系。聞くところによれば、PR代理店の業績がなかなか良いのだそうだ。まったくもって、虫のいい話ではある。

じゃあその分、ネタがあるかというと、そうでもない。通り一遍の情報だけ。それじゃ、こっちも真剣勝負をする気にはなれない。

これはたまたまのことなのだろうか。少なくとも、いま、わたしの近くには、ネタもカネもなく、時間だけを持て余しているような人が思った以上にたくさんいる。それでどうやってメシが食えているのか不思議だが。

iPhoneは受け身で使いたい

Posted in iPhone, mobile by DorG on 2008/07/28

なんだかんだと言いながら、結局、先週末にiPhone 3Gを購入した。先週、会う人会う人から背中を押されたというのもあるけれど、やっぱり、Macユーザーとしては、いま使っているWindows Mobile機(古い03esだけど)は何かと辛いので。

周囲からは不満の声もちらほらと耳にするが、わたしとしては「これだけ使えれば十分かな」というのが今のところの率直な印象。触ってみてあらためて思うことは、iPhoneが、能動的なアクションを支援するようなモノではなく、あくまでもビューワであり、受動的に情報を取得するためのガジェットだということ。だから、情報の“受け”を効率化したいと思う人には結構フィットするのではないだろうか。03などと比べると、2分とか3分とかの細切れの時間で得られる情報量が多い。

その反面、何でもこれで済ませたい派の人にとっては、きっといろいろ不満が出るだろう。その意味で、昔のPDAとか電子手帳のような使い勝手を望む人にはあまり向かないかもしれない。

例えば仕事なら、ちょっとした空き時間で情報を受けてしまい、少し頭を整理してからデスク作業に入る。たぶん、わたしのiPhoneの使い方はそんな感じになるだろう。

ちなみに、目下のわたしの最大の望みは、iPhone版Last.FMの安定性向上。これがもうちょっとまともに使えたら、iPod機能すら不要にしてしまうキラー・アプリになるのだが。。。

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iPhone狂想曲の裏側にあるもの

Posted in iPhone, mac, mobile by DorG on 2008/07/15

ここのところ、ブログを書く時間すら取れないような状況なので、実は昨今の「iPhone祭り」にもまったく乗れていない。なるほど、こういう祭りに乗るためには自分に余裕がないといけないんだなと思い知らされる。

今のところの私の立ち位置は、「欲しいかと聞かれれば欲しいと答える」という程度で、あまりピンとは来ていない。確かに持ったら楽しいだろうけど、身の周りのさまざまな問題から今の自分を「解放」してくれるようなツールには思えない。今できないことができるようになるという感じもしない。

ただ、面白いなと思うのは、iPhoneに対して、エンタープライズ系のIT企業が思った以上にコミットしていること。このサイトなどを見ても分かるように、さまざまなアプリケーション・ベンダーがiPhone用のフロントエンド・ツールを提供している。こうした動きが本格化すれば、ビジネス・ユーザーの間に一気に広がる可能性もなきにしもあらずではないか。

発売当初のテレビの馬鹿騒ぎしかり、ネット上に溢れているこちらが引いてしまうほどの礼賛記事しかり、ここ数日のiPhoneを巡る情報の流れを傍目に見ていると、何となくだが、ここしばらくのIT製品に対するある種の“不満”が鬱積した結果ではないかと思えてくる。さらに言えば、「反マイクロソフト」「反Windows」の匂いを嗅ぐこともできる(日本だけを見れば、反ドコモの感情もそこに含まれるのかもしれないが、それはどうでもいい)。

iPhoneが次のパラダイムの中心に立つとは考えにくいが、iPhoneが映し出すそうした世相のようなものが、大きなパラダイム・シフトを引き起こす可能性はあるかもしれないなと思う。直感だけど。

Leopardでなにげに困っている3つの事柄

Posted in mac by DorG on 2008/03/06

Leopardも使い始めてそろそろ半年近くになる。幸いにして大きなトラブルには見舞われていないが、この間、知人や仕事仲間から「アプリが動かなくなった」などの嘆きを聞くことも少なくない。私見だが、OSXシリーズの中で最も不安定なバージョンアップではないか。

ちなみに、わたしが悩まされているのは以下の3つの事柄。どれも致命的ではないが10.5.2になっても解決されていない。

▼キーボードの認識

わたしが使っているのはMacBook Pro(MA610J/A:JIS配列)だが、以前はオフィスでのみ、外付けでKinesis(Dvorak配列)をつないで利用していた。だが、Leopardを導入後、KinesisがJISキーボードとして認識されてしまうようになってしまった。強引に設定をいじると、今度はMBP本体のキーボードが101として認識されてしまう有り様。

どうやら、今のところLeopardでは配列の異なる複数のキーボードを同時にサポートすることができないらしい。これはWindows機では当たり前のことなので「むしろこれまで自由が利きすぎた」ということなのかもしれない。相当便利だったんだけどなあ。外付けでUSキーボードを使うのなら、ノート本体もUS配列にしておくのが無難だろう。

▼AppleTalk経由でのサーバ接続

これも依然として不便なまま。アドレスを直打ちすればつながるが、Finderからサーバが見えない。BonjourかSambaを使えということなのだろう。レガシー・プロトコルとはいえ、AppleTalkにはそれなりに思い入れもあるし、会社の中で圧倒的なマイノリティであるMacユーザーとしては、無理に「Bonjour対応せよ」とも言いにくい。仕方なくSambaでお茶を濁してはいるが、どうもしっくり来ない。

▼ユーティリティ回り

これは、どちらかと言えばサードパーティの問題だが、以前から愛用しているQuickSilverが不安定だったり、APEがLeopard未対応だったりと、ユーティリティ・ツールが使いにくくなった。APEはようやくベータ版が出たらしいが、これは未使用。WindowDragonが使えないと意味ないし。

*  *  *

機能面では着実に進化していると思うのだが、以上のような理由で、いまだLeopardには完全に馴染みきれていない。うまく言えないが、全体の印象として「カタログに載らない部分で手を抜いたか」という印象を抱くこともある。うーん、これまでのOSXシリーズとは明らかに違った違和感を覚えるのだよな。そういうモノだと言われればそれまでだが。

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「COOKPAD的なるもの」について

Posted in life by DorG on 2008/02/18

仕事柄、自宅で飯を食べる機会はそれほど多いわけではないが、ここ1〜2年ほど、明らかに食卓に並ぶ品のバリュエーションが広がった。きっと、COOKPADに代表されるレシピ・サイトのお陰なのだろう。

それなりに手早くできるのだろうし、そこそこおいしいし、キレイだし、材料費もそんなにかからなそうだし、何より妻が便利そうだし──などと、基本的には好意的にとらえているのだけれど、その一方で、なんだかよくわからない違和感(のようなもの)も感じたりする。なんというか、全部ソコソコなのだよね。なぜか腹の底にしっかりと収まらない。材料も味もそのつどまったく違うのに、しっくり来なさ加減だけがいつも一緒。そんな感じ。

「飯を作ってもらっておきながら、なに贅沢言ってやがんだ」と自分でも思うのだが。

そもそもわたしは、食い物に関しては結構コンサバなところがあって、知らない味を試すより安心できる知ってる味を楽しみたいというクチなので、余計にそう思うのかもしれない。

それなりの時間、一緒に過ごしてきた積み重ねみたいなものが影響しているのだろうか。COOKPAD的なものって、言ってみれば他人の家庭の味なわけで。ただ、それだけだろうかという気もする。

そんな感覚が、どう話したら妻に伝わるだろうかと考えている。

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食品産業のチキンレースは続くのか

Posted in etc by DorG on 2008/02/06

今朝、着替えをしながら、営業を再開した「赤福」の前で行列をつくる人々の様子を映した情報番組をぼんやりと見ていた。並ぶほうも並ぶほうだが、報じるほうも報じるほうだ。例の毒ギョーザ問題によって、ようやく「食の安全」に対する意識がリセットされたかと思いきや、結局何も変わっていないようだ。

「これまで残りものを再利用しまくって事業を回してきたのに、どうやったら値上げもせずにまっとうなものを作ることができるんですか?」と、なぜ誰も聞かないのだろう。普通に考えれば、賞味期限の偽装をやめるコストはどこかに乗るはずなのに。

そのあたりの都合の悪い情報には、あえて触れないのが大人の振る舞いということなのだろうか。

先日、某外食産業とかかわりのある人と話す機会があったが、現在の過剰なまでの「反偽装」の世論に対して、かなり頭を痛めている様子だった。値上げしたくてもできない、と。その思いは多くの企業の間で共有されているのではないか。このまま行けば、食品関連産業のチキンレースは加速する。それに耐えられない企業も出てくるだろう。

以前も書いたけれど、わたしが危惧するのは、建前ばかりを重視してそのコストを業界に一方的に押し付けるような風潮が、さらに重大な負の結果を招いてしまうのではないかということだ。

どこか1社でもいいから、こんなことを正直に言う企業が出てくれないものだろうか。

「ごめんなさい。これまで偽装しまくりでした。 中国産の野菜も米国産の牛肉もこれだけ使ってきました。添加物も山のように入れていました。でも、それをしないと今の販売価格は維持できません」

別にたいそうなことを望むつもりはない。ただ、まっとうなものを食べるための適正なコストが知りたいだけなのだが。。。

エルゴソフトの撤退

Posted in mac, software by DorG on 2008/01/29

日本市場でのMacの売上げが芳しくないという情報は耳にしていたが、ついにこういう形で顕在化してきたかという印象だ。

egword、egbridge パッケージソフト事業終了のお知らせ (エルゴソフト)

こういうがっかり感は、システムソフトの撤退以来だろうか(古いけど)。

ことえりでいいじゃんという人が大多数を占めるなかでは致し方ないのだろうが、仕事でMacを使う身としてはとにかく痛いとしか言い様がない。辛うじてATOKが残っているとはいえ、ジャストがアップルのOSライフサイクルに迅速に対応してくれる保証はないものなあ。

日本語の文章に携わる人がMacを使うという時代は、とうの昔に過ぎ去ったのだなということを再確認せずにはいられない。

これまでMacの日本語環境を支えてくれたエルゴに感謝の意を表しつつも、今後コンピュータで日本語を扱い続けていくことの意義を考えたとき、どうしようもなく悲観的な流れを感じ取ってしまったりもする。

【参考】 EGBRIDGEに乗り換えようかと(IN MY ROOM…)



MacBook Airなあ

Posted in mac by DorG on 2008/01/19

大変ご無沙汰しています。気がつけば更新をサボって早4カ月。年も変わったことだし、マイ・ペースながらボチボチと独り言を書くことにします。

というわけで、各所で話題のMacBook Air。個人的にはさほど悪くないと思うが、買うかと言われればやや微妙。本機の価値は「OSXが動く最小、最軽量のマシンである」ことをどう評価するかという1点でほぼ決まると思うので、買うとしたら仕事用のセカンド・マシンとしてどうか、という感じだろうか。

それより、このAirについては、いろいろな人の「がっかり」的な反応が面白いかった。そのベクトルが「なんだ、新しいDuoじゃねーのか」じゃなく、「なんだ、Macが動くLet’s Noteじゃねーのか」というノリに近いものであるという意味で。

それだけ、消費者が期待する“アップル像”が以前とは大きく変わったということなのだろう。だって、以前なら、アップルに「Let’s Note的」なプロダクトを期待する声なんて皆無だったもの。PowerBook G4 Tiが初めて出たときに巻き起こった、「銀パソかよ」という批判が懐かく感じられるほどだ。

いずれにせよ、今回痛感したのは、たかが1メーカーのUSでのプライベート・カンファレンスが日本の地上波テレビのニュースで紹介されるまでになった原動力は、明らかに「Duo」ではなく「Let’s Note」を望む声であるということ。

IAに鞍替えし、Windowsをサポートし、まるで総合デジタル・メーカーであるかのごとく自分を演出してきたツケをアップルが払わせられるのは、もしかしたらこれからなのかもしれないな、とふと思った。

ちなみに、わたしとしては、OEMなどで「Let’s Note」的なニーズを満たしつつ、稼いだカネで「Duo」的なニーズを満たしてくれたらうれしいのだが。それはちょっと無理な相談か。