IN MY ROOM…

どうやら国には、自転車にやさしい道路づくりに励む気はまったくないらしい

Posted in film, news by DorG on 2007/01/28

今の季節は寒いので控えているが、昨年秋ごろからちょくちょくと自転車通勤を行っている。自宅から会社までは片道約10km強。ノーギアのママチャリでもドア・ツー・ドアで45分ほどで通える。結構快適だ。

運動不足解消という目的もあるけれど、なにげに大きかったのが、昨年施行された改正道交法によって路上駐車が減り、車道を自転車が走りやすくなったということだった。駐車場利権だの天下り先の確保だのと何かと評判が悪かった駐車違反取り締まりの民間委託だが、以上の理由から、わたしは比較的好意的に受け止めていた。

「これを機に、欧州のように自転車道の整備に本格的に取り組んでくれたらいいのだが」などと甘い期待を寄せていたが、どうやらそれはとんだお門違いだったようだ。なんと警察庁は、自転車に今まで以上に歩道を走らせようとしているようなのだ。

今回の改正案をもって、ただちに「クルマ社会(=自動車産業、運輸産業)への迎合」と言うつもりはないが、少なくとも、国が今のところ「クルマ」と「チャリンコ」と「一般歩行者」を安全に共存させるべく交通網の抜本的な改革を行うつもりがないということだけは理解できる。

あとは、条例制定など地域ごとの施策に頼るしかないのだろうか。都知事選でこのあたり争点にならないもんだろうか。オランダほどとは行かないまでも。

ぶっ飛ばして走れるロードレーサー買おうと思っていたけど、これはちょっと様子見かな。

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『沈まぬ太陽』映画化

Posted in book, film by DorG on 2006/05/31

「沈まぬ太陽」映画化…ホリエモン愛読で再び脚光:芸能:スポーツ報知

沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇

そうか。ホリエモンが拘置所内で読んで感銘を受けたいう本はこれだったのか(今更ながら…)。

わたしも小説のほうはそこそこ楽しんで読んだ記憶があるが、今回の映画化についてはちょっと微妙だな。何と言うか、「JALが落ち目なうちにやっちまえ」的な制作者側のあざとさを感じてしまったのだよなあ。

相手が弱ったとみるや畳みかける──この国はマスコミもエンタメもそんなヤツらばかりなのだろうか。

それはそうと、どうやってあの話を2~3時間に収めるのだろう。御巣鷹山篇を中心にということなんだろうか。

『春の雪』を観た

Posted in book, film by DorG on 2005/11/15

この前の土曜、朝出発の新幹線で京都へ行くという妻と娘を東京駅まで送り、そのまま歩いて有楽町マリオンへ。観たいと思っていた『春の雪』を観た。今の時期はさほど目ぼしい大作がないし、朝イチの上映だったから仕方なかったのかもしれないが、あまりに人が少なくてびっくり(苦笑)。今のマリオンて普段もあんなもんなんだろうか。終わってるなあ。ゆっくり観られるという点ではいいんだけどさ。

肝心の映画のほうは、なかなかだったと思う反面、今ひとつかなという思いも抱いた。予想どおり画はとってもキレイだったし、大正時代の雰囲気もよく出ていたように思う。だから、デートとかでなにげなしに観るのが吉かもしれない(笑)。

不満が残ったのは、やっぱり脚本。文学作品を2時間程度の映画にまとめるのは確かに難しいことだろうけど、台詞まわしやカメラ割りなどを工夫することでもう少し人物像を立体的に描いてほしかったなと。

清顕は確かに我が儘な坊ちゃんではあるが、それだけではなく、夢見がちで自分の感情と対話しながらその赴くままに生きているようなところがある。普通の人も抱くような感情をストレートに行動に移してしまうところに、ある意味で感情移入できるわけだから。その大前提となる人物像がもう少し描き込まれていれば、後半の一途な行動に対する感じ方も変わったんじゃないかと思う。

聡子も、小説では勝ち気な一面を持つ女性という印象を受けていたけれど、映画ではやたらネットリとした雰囲気。竹内結子に罪はないけれど(笑)。

こう言ってはミもフタもないかもしれないけど、三島作品だからってヘンに小説に遠慮しすぎ(苦笑)。小説から台詞をそのまま引いたって小説どおりの人物が描けるわけではないのだから、もう少し脚本の部分で冒険してほしかったのだが。

いつか、この作品をリメイクする人が出てくれるといいんだけど。

昭和の劇──映画脚本家・笠原和夫

Posted in book, film by DorG on 2005/10/10
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■Link (Amazon)

発刊されたときから興味を惹かれていたこの本。結局、図書館で借りて読んでみた(本当は買いたかったんだけど……)。一部で高い評価を得ているのは知っていたけど、いやあ、これは素晴らしいなあ。昭和を1冊でたどるのに、これほどふさわしい本はないんじゃないかと思うほどだ。

笠原和夫は、かつての美空ひばり映画や『仁義なき戦い』などの東映実録シリーズで知られる脚本家で、この本は、これまで彼が手がけてきた作品をインタビュー形式で振り返るという、言ってみればありきたりの企画本なんだけど、その内容は決して映画の枠にはまり切るようなものじゃない。やくざの生態はもちろん、天皇制や被差別部落、沖縄、テロリズム──脚本を書くうえで膨大な取材を重ねた結果として得たネタがふんだんに詰まっている。

「太平洋戦争時の日本兵は昭和天皇の私兵である」、「やくざは、基本的にインポテンツの集団」、「戦前の日本のほうが好きだ」と言い切る語り口は、とにかく痛快そのもの。しかも、それらの言葉が数々の取材や実体験に基づいているものだから、いちいち説得力がある。

歴史研究を専門にしている人からしたら、異端極まりない昭和史かもしれない。もちろん、厳正に見れば、それが史実か否か、議論の分かれる記述もあるだろう。でも、少なくとも私には、アカデミズムの中でぬくぬくとしている学者よりも、ジャーナリズムを謳うマス・メディアよりも、面白いホン、当たる映画を作ろうと、必死になってネタを探し回ったであろう脚本家の言葉のほうが、まだ信用できる。

それにしても、本を読んで興奮を覚えたなどという経験は、はたしていつ以来だろうか。映画好きな人はもちろんだけど、そうでない人も楽しめるし、考えさせられる良書だと思う。4,000円超と少々値が張るけれど(だから私は借りてしまったのだが…)、この本には、買ってでも手もとに置いておきたい、そう思わせる何かがある。

春の雪

Posted in book, film by DorG on 2005/03/04

今日は都内でも積雪があり、「10年ぶりの大雪(たった2センチだけど…)」などと言われているわけだけれども、それはそうと、あの三島由紀夫の名作『春の雪』が映画化され、今秋に公開されることになったらしい。

三島由紀夫「春の雪」妻夫木主演で映画化(nikkansports.com)

春の雪は、三島由紀夫の遺作となった4部作「豊饒の海」の第1部にあたるもので、私も大好きな小説だ。あのハラハラドキドキのストーリーをどんなかたちで映像化するのか、とにかく興味がある。

主演は、妻夫木聡と竹内結子。まあ、イメージに近いと言えなくもない(妻夫木君だと、ちょっと毒が足りないかなという気もするけれど)。ウォン・カーウァイの「花様年華」を撮ったリー・ピンピンが撮影に参加するというあたりからも、“大正ロマン”を映像で再現しようという意気込みがひしひしと伝わってくる。

監督が行定勲だし、人気俳優が主演するわけだから、きっと大々的なマーケティングが行われるだろうけど、今ウケするような恋物語に終わらず、原作の良さを最大限に引き出してくれるといいなあ。。。

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シュウシュウの季節

Posted in film by DorG on 2005/02/01

わたしはそれほど頻繁に映画を観るほうではないが、先日、知り合いとの酒席で、「いたたまれなくなるような映画が好きだ」と言い放つ女性に会い、それで思い出したのがこの映画だった。

これを観に行ったのは、’99年ごろだったと思う。場所は、ミニシアター系の映画を安い値段で上映している田舎の小さな映画館だった。

DVDのジャケからもうかがえるが、チベットの豊かな自然を描いた佳作。観る前の印象はおそらくそんな程度だったと思う。今にして思えば、後に公開される「初恋のきた道」に近いノリを想像していたのかもしらない。予告篇も確かそんな作りになっていたように記憶しているのだが。。。

詳しいストーリーは割愛するが、まあ、一言で言って理不尽な映画だ。理不尽さを描きたかったとしか思えないほどの理不尽さ。監督はこれが処女作となった女優のジョアン・チェンで、正直少し舐めてかかっていたところもあったのだが、いきなりガツンとやられた。まさにそんな感じ。女性監督だけにある意味描写に遠慮がなく、それがまたヒリヒリとさせられる。

当日、松田聖子のベストアルバムなんか聴きながら車で出かけ、パワー全開で映画館に入った私と後の連れ合いと友人の3人は、映画館を出たあとしばらく口が訊けないほど憔悴した。車のエンジンをかけると同時に大音量で鳴りだした松田聖子が、とてつもなく場違いなものに思えた。

ただし、チベットの美しい風景はやはり特筆もの。主役のシュウシュウを演じたルールーも、透明感漂うとってもキレイな女の子だ。ジョアン・チェンも、この後、オータム・イン・ニューヨークを撮るまでに出世していく。今にして思えばいろんな意味で素直にいい映画だったな、という気がしないでもない。

人生は理不尽……そう思う人には、文句なしにおすすめだ。