「Curio 4」の世界を泳ぐ
わたしの愛用アプリケーションの1つである、Zengobi社のCurio。とかくアップルの動向に注目が集まりがちな昨今だが、こういう優秀なサードパーティ製ソフトウェアが存在するところにこそ、わたしがMacを使い続ける理由がある。
- Zengobi – Curio – Brainstorming and Project Management Software for Mac OS X
- 期待を抱かせる「Curio 4」« IN MY ROOM…
このソフトを一言で説明するのは難しい。乱暴に言えば、ホワイトボードの上で図形を書いてそれを自由に配置したり、タブレットでお絵かきしたりといったことができるドローイング&ブレスト系のツールということになるが、その守備範囲はかなり広い。ベタのテキストはもちろん、ToDo項目やURLリンクやファイルへのショートカット、写真、その他取りこめるものは何でも図形として処理できてしまうので、自由度がやたらと高いのだ。
Webページのブックマーク集として使うのもいいだろうし、プロジェクトのTo Doリストと関連ファイルを1枚のボード上に配置してプロマネ的な用途に使うのもありだろう。また、コルクボード上に写真を貼るようにして簡易的なフォト・アルバムを作るのもいいかもしれない。
そんなCurioがヴァージョン4になって、かなり目覚ましい進化を遂げた。短時間ではとてもレビューしきれないほどだが、2週間ほど使ってみての印象を少しだけ紹介しよう。
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まず、新版の大きな特徴の1つがマインドマップ機能のサポート。Curioはそもそも、ワードを含めた図形をポコポコ作って適当にラインや矢印でつなぎ合わせていけば、疑似的なマインドマップを作ることができるのだが、しっかりと情報を構造化して表現したい場合には、やはりこの機能は便利に使える。ちなみに下にあるのは、Curioで試しに作ってみたマップ。
専用ツールと比較すれば、機能自体はさすがに見劣りするが、Curio上で作ったマインドマップには、外付けで図形を追加して関連づけたり、ペンツールでグリグリと強調したいポイントをマーキングしたりといった自由が許される。このあたりは、出自がドローイング・ツールならでは。この自由度の高さが、情報が主題から少しでも離れるととたんに表現が難しくなる世のマインドマップ・ツールの欠点を埋めてくれてくれているように思える。
MindManagerのように、マインドマップ・ツールを出発点にして機能をどんどん付け足しているような強力な製品もあるが(最近のツールはだいたいこの方向性だ)、わたしにとっては、ドローイングをベースにしているCurioのほうが気が楽だ。だって、「マインドマップだとしっくり来ない」と思えば、さっさとやめて別の書き方をすればよいのだから。その意味では紙っぽく使えるとも言える。
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その他の新機能としては特筆すべきは「サービス」と連携したクリッピング機能であるSnippets。他のアプリで表示されたデータやファイルを「Cmd+Shift+X」のショートカット・キーで、次々と専用スペースの中に放り込んでくれる。Webブラウザでアドレス・バーを選択した状態で利用すればURLが、ページ内を選択していればテキストや画像が、Finder上でファイルを選択していればファイルへのショートカットが──というように、扱えるデータもさまざまだ。
クリッピング・データは、Curioが起動していない間でも保管されるし、複数の文書への振り分けも自在だ。NoteTakerなども似たようなクリッピング機能を持つが、複数ある書類のどれに情報を保管するかを逐一決めなければならないという煩わしさがある。その点、Snippetsは優秀だ。
ただし、サービスを使うため、非Cocoaアプリケーション(例えばFirefox)ではこの機能は使えない。ふだん同ブラウザをメインで使っているわたしにはちょっと辛いが、この機能を使うためだけにSafariを常用してもいいかなと思えるほどだ。QuickSilver用のプラグインを出してくれれば、アプリを問わず利用できるようになるのだが。
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そのほかにも、タグづけによるGTDとか、プレゼンテーション機能とか、紹介したいところはいろいろあるが、力が尽きてしまったので今日はこのへんで。また気が向いたら続きを書いてみることにする(マイナーなアプリゆえ、需要はあまりないとは思うが……)。
ちなみに、Curio4の価格は、Professional Editionが149米ドル。Home Editionが99米ドル。既存の情報管理ツールでは満足できないという人にはぜひお勧めしたい。
OmniFocus:ちょっとした感想
しばらく前にOmniFocusのベータ・テストのInvitationが届いたが、なかなか試す時間が取れないまま月日が流れてしまった。
GTD系のアプリはメイラーなどと同様、使い込んで初めてその真価が見えてくるものなので、現時点で機能面をああだこうだ言っても仕方ないかもしれないが、Macの世界ではそれなりに名の通ったOmni Groupの新作であり、前評判も高いようなので、少し触ってみての感想などをまとめてみる。
まず、全体の作りからは、アウトライン・プロセッサと従来のタスク管理系ツールのフレーバーを上手にミックスしているなという印象を受けた。「OmniOutlier+kinklessGTD」の思想をブラッシュ・アップしたような感じだ。特に、階層構造で個々のProjectやActionを管理でき、かつその構造をキーボード・ショートカットで自在に変更できるところなどは、ルーツがアウトライン・プロセッサであることを強く感じさせられる。
アクションの関連づけには適しているが、階層が連なる分Next Actionが見えにくくなるというアウトライン構造の欠点を補っているのが豊富なビュー機能。特に、Actionの「内容」を総覧するためのProjectsビューと、その「種別」を総覧するためのContextsビューの2つを明確に区別しているあたりは、よく練られているなと感心する。Action項目をソートしたり、フィルタリングしたりできるFilter機能も充実している。
ついでに言うと、デフォルトではopt+shift+spaceキーで登場するActionのクイック・エントリー画面の使い勝手もなかなかだ。
あえて問題点を指摘するとすれば、Actionの「登録」から「完了」までの間の行動──すなわち「プロセス」とか「レビュー」とか──の支援機能がやや手薄であるように見えること、メイル・メッセージやファイルとの関連づけができないこと、などにやや不満が残るが、そのあたりは使い手の好みによるところが大きいのかもしれない。
ちなみに、わたしは現在、メインのタスク管理ツールとしてMidnight Inboxを利用しているが、両者を比較すると、さすが老舗サードパーティの製品だけあって、GTDシステムとしてのトータルの信頼性の高さは、(α版であるはずの)OmniFocusのほうがすでに上回っていると感じる。Inboxは(だいぶ良くなったとはいえ)今なおバギーだし、クイック・エントリーまわりの日本語入力にやや難がある。
GTDアプリの場合、この信頼性が重要なんだよなあ。信頼できないシステムでは安心して仕事を預けることができなくなるから。
その意味で、乗り換える可能性は大アリなのだが、Inboxには、ローカルのファイルやメイル・メッセージをまとめて引っ張ってくれるAuto Collectという他の製品にない素晴らしい機能がある。もう少し使い込んでみた時点で、あらためて両者の比較を行ってみたい。
Midnight Inbox正式版リリース
以前紹介したMac用のGTDアプリケーションMidnight Inboxの正式版がようやくリリースされた。アイコンもリニューアルされ、多少ゴージャスになった模様。
ささっと使ってみたところでは、問題のバグはそれなりに修正されているようだ。なんせ、これまでのベータ版では機能を試そうにもすぐにアプリが落ちてしまってまったく使い物にならなかった。これでようやく本格的にレビューができそう。
このアプリは、Spotlightと連携したファイル管理機能が売りなので、単にタスクを管理するだけでなく、簡単なプロジェクト管理にも使えるのではないかと密かに期待している。14日間の試用が可能なので、じっくり試してみたい。
Midnight Inbox
先日、GTDアプリとしてThinkingRockを紹介したが、ここにきて、続々と期待のアプリケーションが登場してきている。どうやら、我々ユーザーだけでなく、開発者の人たちにとってもGTDは魅力的な分野になっているようだ。
それぞれ個性があって面白いが、なかでも有望だと感じるのがMidnight Inbox。これはMac専用のCocoaアプリケーションで、ファイル管理とGTDをひとまとめにやってしまおうという、なかなかユニークなコンセプトを掲げている。

iTunesライクなGUIを持つ同アプリは、立ち上げると、あらかじめ定められた条件にマッチするHDD内のファイルを「Collect」としてまとめて見せてくれる。「ここ1週間のうちに作成されたデスクトップ上のドキュメント・ファイル」とか、「今日届いたメール・メッセージ」とか、とにかくそんな感じのものがずらずらと並ぶ。OSX TigerのSpotlightと連動しているようだ。
それぞれのファイルはアクションとして登録することが可能で、〆切を設定したり、プロジェクトごとに振り分けたりといったように、GTDと同じプロセスで管理できる。もちろん、ファイルとひもづかない“素”のタスクを登録して管理することも可能だ。
以前から、ファイルとタスクを関連づけて管理したいと考えていたので、そうした意味では願ったりかなったりのツールなのだが、現在の最新版であるv.0.9.7は残念ながらバギーでまだ使い物にならない。今週中には1.0がリリースされるらしいので、購入するかどうかは、その出来映えを見てからにしよう。ちなみに価格は35ドル。
まともに動いてくれれば、相当使えるアプリだと思うが。
ThinkingRockはGTDのキラーアプリか?
TidBITSで紹介されていたスタンドアロンのGTDアプリケーションThinkingRock。シンプルだが確かによくできている。少なくともわたしの場合は、これまで使ってきたOmniOutliner ProベースのkinklessGTDや、Tinderboxのテンプレートよりも手に馴染む。
Thinking Rock を拾い上げてみたら(TidBITS日本語版)
上の記事でも触れられているが、リストアップしたアイテムをアクションに落とし込む際のプロセスに着目しているところが新しい。わたしの場合、思いつくままにInboxにアイテムを書き殴るまではいいのだが、その後溜まったアイテムを振り分ける作業が億劫に感じてしまうことが多い。ThinkingRockではこの作業が直感的にできるよう配慮されている。
アクションの一覧性の高さも魅力だ。プロジェクトやコンテキストはもちろん、〆切日、だれから依頼されたかなど、同一画面上で簡単にソートできるのでレビューしやすい。

残念なのは、このソフトの特徴の1つであるアクションリストのエクスポートやリポーティングが日本語に対応していないこと。特にリポーティングは、リストをさまざまな切り口でPDFに書き出してくれるユニークな機能なので(なんと、PocketMod形式での書き出しにも対応している)、なんとかしてほしいところだ。
Mac OS Xだけでなく、WindowsやLinuxにも対応していながら無料。Javaアプリにしては、動作も軽快だ。
難しいことは何もやっていないし、足りないところもあるけれど、基本はしっかり押さえている印象。Mac上でGTDをやるなら、現時点ではこれが最も手っ取り早いかも。
開発中だと言われているOmniのスタンドアロン版GTDアプリの動向と併せて、しばらく注目してみることにしよう。
Technorati Tags: GTD, Mac, ThinkingRock, ソフトウェア
「タスク・スコアシート」という考え方
GTD、LifeHacksといったキーワードに注目が集まりようになり、それを実現するためのWebアプリケーションが毎日のように生まれているが、その中でちょっと面白いなと思った新しいサービスがこれ。
■Task Scoresheet | Rough Underbelly
どうやら、個々のToDoにポイントをつけておくと(10点〜1点)、完了するごとにそのポイントを積算して日次ベースでグラフ化してくれるようだ。つまり「今日、何ポイント獲ったか」で仕事のパフォーマンスが測れるというわけ。
単純な仕掛けだが、モチベーションを維持するにはなかなかいいかもしれない。Webサイトのインタフェースもすっきりしているし、日本語も入力できる。
GTDは、漠とした頭の中の考えを日々のタスクに落とし込むうえでは非常に有効だと思うが、過去を振り返って自分の活動をレビューするということは、さほど想定されていないように思える。人は機械じゃないわけだから、時には振り返って「今週頑張ったなあ」なんて思いに浸るのも悪くないんじゃないだろうか。
ちなみに、このサービスは、David Seahという人が考案したThe Printable CEOというタスク管理手法をベースにしている。彼のサイトを見ると、スコアシートのPDF版をダウンロードすることが可能だ。タスク管理周辺で面白いことを考えている人は、David Allenだけじゃないらしい。
嗚呼、タスク管理。
ここ最近、仕事量が一気に増えてしまい、「ちゃんと管理しないとまずいなあ」と本格的に思い始めている。忘れずに覚えておくだけなら、紙の手帳に書きとめておけばいいけれど、時に「やるべきこと」で頭が一杯になってしまい、休日でも何となく気が晴れなくなってしまうような状況に。だから、ひと目見ただけで自分の仕事の進捗状況が分かるような環境を整備したいと思い立った。そうすれば、今よりは、オン/オフの切り替えが少しマシになるのではと……。
ベースになる手法として一番有効だと考えているのは、近ごろ何かと話題のGTD(Getting Things Done)。デビッド・アレンという人が提唱している生産性向上のための管理術だ。日本語では、こちらのサイトで詳しく解説されている。簡単に言えば、頭の中にある「やるべきタスク」を大きいものから小さいものまで洗いざらい引っ張りだし、「2分以内でできるもの」、「期限までにやればいいもの」、「人に頼むもの」などに分け、全体をいつでもレビューできるようにしておくというような手法だ。
この手法は、紙ベースでもできるけれど、どうせなら、Mac上でやってしまいたい。GTDを行うためのツールやプラグインもそこそこ存在している。OmniOutliner Pro上で使えるkinkless GTDなんかがその代表格だろうか。ちなみに、以前紹介したMac用の情報管理ソフトTinderboxも、GTDツールとして使うことができる。ここを見ると、個人が作ったGTD用テンプレートが公開されている。
ただ、GTD用に何らかのアプリケーションをいちいち立ち上げるのが少々億劫なことも確か。結局、自分の手足として馴染むまではいかなかった。そこで最近は、Mail.appをベースにしながら、Web上で使えるTo Do管理環境「remember the milk」を併用するというかたちに落ち着きつつある。
Mail.appには、Mail Act-OnとMail Tagsという素晴らしいプラグインがある(配布先はここ)。前者はショートカットでメッセージのフォルダ移動を瞬時で実行でき、後者は1つのメッセージにキーワードやプロジェクト名、期限などをタグ情報として加えることができる。例えば、Mail Tagsで期限を設定しておき、例えば、「5日以内にやるべきこと」というスマートメールボックスを作成すれば、すぐにTo Doリストが出来上がる。このプラグインの存在を初めて知ったときは、かなり感動した。まさにSpotlightサマサマですな。。。
一方、remember the milkがこれまた素晴らしい。無料の会員登録をすればオンライン上で自分専用のTo Doを管理できるというものなんだけど、何より便利なのが、メールを送信するだけで、ポンポンとタスクを追加できるところ。複数人で使えば、タスクを共有して他人の仕事の進捗ぶりを管理したり、特定の人間に催促したりもできるようだ。これで、もう少しタスクの切り分けが自由にでき、なおかつタスクの相関関係を認識できるようになったら、まさに最強。
私の場合は、とにかくこのremember the milk宛てに自分のやるべきことをガンガンとメールで送る。“頼まれごと”のメールもガンガン転送する。その後、サイトへアクセスして、1つ1つの重要度や期限を決めるというやり方をしている。
Web2.0という言葉は、マーケティング用語っぽくてあまり好きじゃないけれど、こういうサービスが出てきてくれるのは大歓迎。コンピュータの世界は、技術じゃなくてそれを活用する思想が生まれたときに初めて進歩するんだな、と再確認している。

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