IN MY ROOM…

裁判を取り巻く奇妙な風景

Posted in news by DorG on 2007/06/05

例の光市母子殺害事件の広島高裁差し戻し審に関して、さまざまな人が「吊るせ」的な意見を述べている。橋下弁護士のTVでのトークに煽られて弁護団に対する懲戒請求を提出しようなどという運動もあるらしい。なんだかなあという感じだ。皆、本気でそれが正しいと思ってるのかね。

個人の主義主張はさまざまだろうし、それはそれで尊重されるべきではあるが、この種の動員(煽り)に市井の人々が乗っかってしまうというのは、さすがにちょっと違うだろうと思う。

確かに、弁護団の主張には首をかしげざるをえない部分もある。「人権派」を名乗る左巻きの人たちに反感を覚える気持ちも理解はできる。感情だけで判断すれば、わたしも検察側に立つかもしれない。ただ、死刑がかかった裁判で被告人が殺意を否認しているなか、あらゆる手段でそれを立証しようとする弁護人の行為そのものを「けしからん」と断じてしまうことのリスクを、もう少し考えられないものか。

だって、そのリスクを背負うのは結局オレたちにほかならないのだから。

死刑廃止か存続かといった制度の話は勝手にやってくれだが、感情を盾に、制度を適用する側である司法機関や法執行機関に対するチェック機能の無能化さえ許容してしまおうという神経には、どうしても寄り添うことができない。

権力って結構手ごわいと思うのだが。

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