キーボードの話
コンピュータの使い勝手を考えたとき、キーボードの存在はかなり大きなウェイトを占めると思う。ネットサーフィンをする程度ならまだしも、長い文章を入力する機会が多いと、キーボードの善し悪しは即効率に影響する。今、愛用しているのはKinesisというメーカーのもの。キーボード・フェチ(笑)の間ではとても有名な製品だ。
こういうキーボードは、とかくキワモノ扱いされがちだけど、この使いやすさはきっと、使った人にしか分からないものなんだろう。普通のキーボードであまり活用しない親指を最大限に使えるから、ホームポジションからほとんど手を動かす必要がないし、スイッチも上質なCherryの茶軸で、メカニカルだけど反発力が強すぎず弱すぎずちょうどいい。OSにドライバを突っ込む必要がなく、ハードウェア的にキー・リマップや配列の変換が行えるのもありがたい。
このキーボードを買ったのは3年ちょっと前ごろ。軽い腱鞘炎にかかってしまったのがきっかけだった。それまで、かなりクリック感の強いメカニカル・キーボードを使っていたから、知らず知らずのうちに手に負担をかけていたらしい。それで、前から気になっていたKinesisを買う口実ができた(笑)。
しかも、Kinesisのキーボードは、特定のショートカットを入力することで、QWERTYとDVORAKの配列の切り変えがハードウェアで実現できる。それならと言うことで、購入に合わせてDVORAK配列を習得した。
別に一般的なQWERTYのままでもよかったんだけど、Kinesisは左右のキーボードエリアがくっきり別れているから、その分、正しいタイピングを強いられる。「G」や「B」キーを右手で打つ癖がついてしまった私にとっては、QWERTYのまま使うにしてもそれなりの慣れが必要だったから、それならいっそのこと……と思ったわけで。
訓練なんてほどのことはしなかったけど、好きな小説を入力したりしながら練習するうちに、2週間ほどでそれほど違和感なKinesis+DVORAKを使いこなせるようになった。今では、普通のキーボードではQUARTYのほうが打ちやすく、KinesisではDVORAKしか打てないという変な棲み分けができている(笑)。
世間ではよく、DVORAK配列だと入力速度が高まるというけれど、個人的には必ずしもそうとは思わない。今でも、スピードだけを考えたらQWERTYのほうが上かもしれないと思うぐらい。ただ、疲労が少ないという点では、圧倒的にDVORAKに軍配が上がる。特にKinesisを使っている人だったら、だまされたと思ってDVORAKを習得してみることをお勧めしたい。
私が使っているのは、ADBとPS/2の両対応のElgo Elan MPCというモデル。レガシー・インタフェースだけど、iMateでUSBに変換することによって、今のMacでも問題なく使える。最近ではUSBモデルも出ている。
本当なら自宅用にもう1台欲しいところだけど、値段がちょっと高いのがなあ。それだったら、マウスすら不要というFingerworksのTouchStreamをねらうのもイイなあ、なんて思ったり。。。いずれにしても、普通のストレート・キーボードを買おうという気はまったくが起こらないみたい(笑)。やっぱり私も所詮はキワモノ好きということなのかも。
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